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掲載日2021.03.30
2021.03.30

春季企画展「はたらくのりもの大集合!救難飛行艇US-2」開催中!

メイン会場
US-2は、海上自衛隊岩国航空基地に配備されている、国産の大型飛行艇です。飛行艇は、水面に直接離着水することができる飛行機です。US-2は「救難」飛行艇とあるように、救難救助をおもな役割としていて、遠すぎてヘリコプターでは対応できない離島や航行船舶の急患、遭難者の救助などで活躍しています。広い海を持つ日本には欠かせない存在なのです。そんなUS-2はこの役割を果たすため、全長30mほどの大きな機体ながらわずか300m前後の滑走距離で離着水できるなど、ほかの飛行機にはない特別な能力をもっています。今回は、US-2の救助活動や機体のようす、戦前までさかのぼる開発の歴史などを紹介しています。
US-1Aのフロート
玄関から中に入ると、全長6m近い「フロート」が皆さんをお迎えします。これはUS-2の前の機種、US-1Aのもので、US-2でもほぼ同じ大きさのフロートが使われています。両側の主翼の下にぶら下げられていて、海に浮かんでいる状態でバランスを崩さないように、またプロペラが海面に当たって壊れないようにするためのものです。これ一つでちょっとしたボートくらいの大きさです。巨大です!撮影スポットその1です!!ちなみに今回は、会場全体自由に撮影できます。

2階にあがると、メイン会場の手前に、実際に開発のために使われた風洞模型と三面図(いずれもPS-1の試験機PX-Sのもの)、プロペラのブレード1枚(US-1A)を展示しています。

メイン会場では、日本の飛行艇の歴史や、救助活動、US-2の内部や製造のようすなどを紹介しています。救命ボートは部屋の中で見ると大きく感じるかもしれませんが、このボートに乗って、波の高い太平洋で救助活動するのです。本当に大変なお仕事です。
US-2とUS-1Aのコックピットの360度画像を体験できるコーナーでは、上下左右、前も後ろも、近づいたり遠ざかったり、中の様子を全方向自由に見ることができ、比べてみるとあちこち変わったことがよくわかります。

このほかに、歴代の機種で使われてきた部品なども展示。コックピットの計器盤(PS-1)、ジェットエンジンのカットモデル(US-1A)、いかり(船でもありますから!・PS-1)、タイヤ(貝殻キズが見どころ!・US-2)などに加えて、航空機の機体用金属版を加工したサンプルをお借りできました。航空機用の金属板の加工はとても難しく、職人の皆さんは日々腕を磨いています。技術の維持向上のため、社内コンテストもおこなわれているそうです。US-2が作られていくようすも、写真で紹介しています。

正面のスクリーンでは、本展のための撮り下ろし番組2本と、海上自衛隊制作のUS-2紹介番組2本を上映しています。US-2がどんな飛行艇なのか、乗組員さんのインタビューや楽しい海上自衛隊員さんのレポートなど、映像と音でUS-2をたっぷり感じてください。

あら?、ほかの撮影スポットは???
その2もその3も、まだまだたくさんあります。

100年にわたる日本の飛行艇づくりの粋を集めたUS-2と、日々訓練を積んだ乗組員の皆さんが、海と密接な日本の暮らしを支えています。

会期は5月5日(水・祝)まで。ぜひお越しください。